産婦人科ニュース

帝王切開の傷、縦それとも横?

お産の方法の一つである、帝王切開。お母さんのお腹を切開し赤ちゃんを娩出する手術ですが、皮膚の切開方法に横切開と縦切開があります。それぞれの特徴は以下のとおりです。

横切開:傷が下着にかくれるため目立ちにくい。2回目以降の開腹時は腹壁の癒着が強いことがある。2回目以降の帝王切開や他の手術の際に縦切開をしなければならないことがある(傷が逆T字になる)。皮下や筋肉の周辺に内出血することがある。

縦切開:横切開に比べて傷は目立ちやすい。手術開始から赤ちゃんが生まれるまでの時間が横切開と比べて短いため緊急時に適している。開腹したときの視野が取りやすい。2回目以降の手術で腹壁の癒着が問題となることが少ない。皮下や筋肉の周辺に内出血しにくい。

当院では、すでに腹部に傷がある妊婦さんはその傷を利用して帝王切開を行います(まれに逆T字にせざるを得ない場合もあります)。
初回帝王切開の場合は、通常横切開を選択します。
初回帝王切開の場合でも、前置胎盤、超緊急帝王切開、超早産、子宮筋腫・子宮腺筋症合併、出血が多くなると予想される妊婦さんには縦切開を選択しています。
ご不明な点がありましたら健診時にご相談ください。