仙台赤十字病院泌尿器科では泌尿器科全般についてエビデンス(証明された医学的根拠)に基づいた標準治療を基本に治療を行います。その上で患者さんの気持ちに寄り添い、十分な対話の上で納得いただける治療を行うことを目指しています。
仙台赤十字病院泌尿器科は日本泌尿器科学会に認定された診療科です。当科では現在4名の医師で診療に当たっております。うち3名は泌尿器科専門医(2名は泌尿器科指導医)、2名は泌尿器腹腔鏡技術認定医です。当科では質の高い医療を提供できるよう、毎日症例検討会議を行い、手術をはじめとする日常診療に活かすよう努めています。
当科では腎臓、尿管、副腎、膀胱、前立腺、尿道、精巣などの泌尿生殖器の悪性疾患や良性疾患を扱っています。
腎細胞癌、腎盂尿管癌、副腎腫瘍、膀胱癌などの泌尿器科悪性腫瘍には腹腔鏡手術や経尿道的手術などの低侵襲治療を中心に行っております。進行症例には開腹術などの拡大手術も行っています。また、周術期の薬物療法も積極的に行っております。
前立腺癌に対しては手術治療(現在当院では開腹手術)に加え、監視療法や放射線治療など多彩な治療法があり、患者さんとの対話の上治療を決定すすめてまいります。またロボット支援前立腺全摘術や放射線治療は近隣の治療可能な施設に紹介しております。
精巣悪性腫瘍については手術療法と必要に応じて化学療法を行っております。
良性疾患での治療にも力を入れており、従来の排尿障害に対する薬物治療に加え、前立腺肥大症に伴う排尿障害に対しては経尿道的前立腺レーザー核出術(HoLEP)、経尿道的水蒸気治療(WAVE)を行い、薬物療法で十分な効果が得られない方や尿閉でカテーテル留置された方に対して良好な成績を得ております。
尿路結石に対しては、結石の位置や大きさなどにより経尿道的腎尿管砕石術(TUL)や経皮的腎砕石術(PNL)、経皮的経尿道的同時砕石術(ECIRS)を行っております。尿路結石は痛み(側腹部痛)を認めるとともに、結石に伴う尿路閉塞により急性腎盂腎炎(結石性腎盂腎炎)を来し、重症化して敗血症となると生命を脅かすこともあるので、早期に対応することが重要です。
前立腺肥大症に対するHoLEPや結石治療に対しては当院では最新の医療用レーザーシステム(Lumenis Pulse 120H with Moses technology)を導入し、東北地方でも有数の手術件数と実績のある施設として知られています。
その他にも尿路感染症に伴う敗血症や精巣捻転などの緊急性のある疾患にも対応しております。