皮膚科

診療科の特色

皮膚疾患は目に見えること、また、かゆみというご本人以外にはわかりにくく、他臓器の疾患にはない症状を伴うことが多いということが大きな特徴です。多くの疾患で外用剤が診療の中心的な役割を担いますので、外用剤を塗るという行為が必要です。
皮膚は、体の表面を覆うただの薄い膜のように感じられますが、人間の体を守る最前線、免疫にかかわる器官で、非常に複雑な働きをしています。同じように見える皮膚症状も、多様な免疫異常が関係しており、さらに内臓の異常によって皮膚症状が出ている場合もあります。
原因がわからない、なかなか治らないなど治療が長期になることもあります。治療の継続には、治療させていただく側と治療を受けられる方が、一緒にやっていくという意識が大切なのではないかと思います。
わたしたちは、できるだけ多くの情報や、その時の皮膚の状態を共有し、安心して治療をうけていただけるようにしたいと考えています。

取り扱っている主な疾患

アレルギー疾患全般(アトピー性皮膚炎蕁麻疹薬疹金属アレルギーなど)
炎症性角化症(乾癬など)
水疱症
脱毛症
感染症(蜂窩織炎帯状疱疹真菌症など)
下肢静脈疾患による皮疹
爪疾患(陥入爪など)
皮膚腫瘍
熱傷

診療内容について

通常診療に加えて、

  • アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、乾癬、掌蹠膿疱症、円形脱毛症、化膿性汗腺炎などに対して、生物学的製剤、免疫抑制剤の治療をおこなっています。
  • 下肢静脈疾患にともなう皮膚症状に対して、弾性ストッキングの着用など推奨しています。
  • フットケア外来を設け、歩行に影響する爪、魚の目、タコに対して総合的なケアをおこなっています。
  • 手術件数は年間約150件、良性、悪性腫瘍の切除、植皮、陥入爪の手術などおこなっています。

検査

  • アレルギー検査として、皮膚テスト(パッチテスト、プリックテスト)、採血検査をおこなっています。
  • 診断確定のための組織検査を多数おこなっています。

その他

  • 爪切り 爪を良い状態に保つことは、歩行に重要な要素ですが、変形してしまって切れない、手が届かない、視力が落ちて切れないなど、様々な悩みをお持ちの方が多くいらっしゃいます。 当科では、研修を受けた看護師による爪切り外来を行っています。 自費診療となりますが、ご希望、ご興味のある方は、皮膚科を受診していただいて、ご相談ください。
  • 爪切り料金表 初回3000〜4500円
  • 2回目以後(2~3か月に1回位) 爪の肥厚や変形のない場合1700円(ニッパー型爪切りでの処置、爪周囲の角質の除去) 肥厚や変形のある場合3000円(ニッパー型爪切りとグラインダーでの処置爪周囲の角質の除去) 高度の肥厚や変形のある場合4500円(ニッパー型爪切りとグラインダーでの処置爪周囲の角質の除去)
  • 巻き爪 陥入爪にたいする通常の診療、処置(部分抜爪、手術)以外に、巻き爪に対して、自費診療で矯正治療をおこなっています。 矯正治療料金 1か所13000円
アトピー性皮膚炎

治療薬がここ数年で大きく変化し、新しい注射、内服薬が使用可能です。特に中等から重症の方の治療にこれまで以上の効果が期待できます。
また当科では病院であることの利点を生かして、皮疹の悪化で生活に支障がある場合など、環境を変える目的で、一時避難的な入院もおこなっています。

乾癬

注射薬、内服薬の選択肢がさらにひろがっています。関節痛に対しても効果のある薬剤があります。

フットケア

歩行に影響する爪、鶏眼、胼胝の手入れや治療、下肢循環障害に関連する皮膚症状の治療を行っています。
糖尿病の方の足病変や血流障害の有無についてのチェック、下肢のむくみで、適応があると考えられる方に対しては、弾性ストッキングや弾力包帯などを用いて症状の改善をはかっています。

各種炎症性疾患

 光線療法を行っています。

手術

 手術件数は年間約200件、良性、悪性腫瘍の切除、熱傷や皮膚潰瘍の植皮などを行っています。

検査

皮膚は組織検査をしやすいという利点があります。積極的に組織検査をおこない、皮膚腫瘍の確定診断をはじめ、皮膚疾患の原因の精査や全身疾患発見の手がかりがないか検討しています。
アレルギーに関して、保険適応のコンポーネントを含めた抗IgE抗体検査、食物のプリックテスト、個別のアレルゲンや薬剤、金属のパッチテストを行っています。

爪切り外来

爪切り料金表

  • 初回3000円

足は人間の体を支える大事な部分です。足をケアするというフットケアの大切さが近年クローズアップされています。爪を良い状態に保つということは、フットケアの大きな目的の一つです。

皮膚科では、フットケア研修を受けた看護師による爪切り外来を2023年7月に開設しました。手が届かない、目が見えないなど、ご自分で爪を切れない場合には、まず皮膚科の通常外来を受診して頂き、医師の診察の際に爪切りについてご相談下さい。

スタッフ紹介

部長

  • 田畑 伸子たばた のぶこ
  • 資格等日本皮膚科学会専門医 日本アレルギー学会認定医 弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター

医師

  • 秋野 萌子あきの もえこ
  • 所属学会日本皮膚科学会