皮膚科というとどういうイメージでしょうか。痒い、軽い(命にかかわらない、ちょっと軟膏をもらえばいい)などでしょうか。
皮膚のトラブルはたくさんありますが、おそらく皮膚疾患の80~90% はこれにあてはまります。でも、だんだんひどくなる、どこに行ってもちっとも治らない、かゆくないが消えない場合など、これらは原因が除かれていないか、皮膚だけが原因でない可能性があります。原因はなかなかわからないことが多く、体質が大きく関わっている場合は、原因を除いて完全に治すというより、上手に付き合っていくことが治療のゴールになる場合もあります。
いずれも治療には時間がかかるので、ちょっと治らないからといって病院を頻回に変えるのは得策ではありません。ずっと治療を続ける中で原因が解ってくるということもありますし、原因不明でも根気よく治療していると治ってくることもあります。
本来、皮膚は人間の体を守る最前線、免疫にかかわる器官で、非常に重要で複雑な働きをしています。同じように見える皮膚症状も、発症機序は多様で、皮膚以外の様々な疾患が免疫異常を来して皮膚に症状を出すこともあります。
経過に問題があれば、主治医の先生と相談して受診してみてください。
皮膚は身体全体を覆う大きな臓器で、皮膚疾患には見えるという特徴があります。
皮膚全体の目に見える症状を、できるだけ広範囲に診療することを心掛けています。
治療薬がここ数年で大きく変化し、新しい注射、内服薬が使用可能です。特に中等から重症の方の治療にこれまで以上の効果が期待できます。
また当科では病院であることの利点を生かして、皮疹の悪化で生活に支障がある場合など、環境を変える目的で、一時避難的な入院もおこなっています。
注射薬、内服薬の選択肢がさらにひろがっています。関節痛に対しても効果のある薬剤があります。
歩行に影響する爪、鶏眼、胼胝の手入れや治療、下肢循環障害に関連する皮膚症状の治療を行っています。
糖尿病の方の足病変や血流障害の有無についてのチェック、下肢のむくみで、適応があると考えられる方に対しては、弾性ストッキングや弾力包帯などを用いて症状の改善をはかっています。
光線療法を行っています。
手術件数は年間約200件、良性、悪性腫瘍の切除、熱傷や皮膚潰瘍の植皮などを行っています。
皮膚は組織検査をしやすいという利点があります。積極的に組織検査をおこない、皮膚腫瘍の確定診断をはじめ、皮膚疾患の原因の精査や全身疾患発見の手がかりがないか検討しています。
アレルギーに関して、保険適応のコンポーネントを含めた抗IgE抗体検査、食物のプリックテスト、個別のアレルゲンや薬剤、金属のパッチテストを行っています。
足は人間の体を支える大事な部分です。足をケアするというフットケアの大切さが近年クローズアップされています。爪を良い状態に保つということは、フットケアの大きな目的の一つです。
皮膚科では、フットケア研修を受けた看護師による爪切り外来を2023年7月に開設しました。手が届かない、目が見えないなど、ご自分で爪を切れない場合には、まず皮膚科の通常外来を受診して頂き、医師の診察の際に爪切りについてご相談下さい。