呼吸器内科は肺や気管支に関連する内科的な疾患を担当しています。具体的には肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD、タバコ肺)や気管支喘息、間質性肺疾患、肺癌、気胸、肺MAC症などです。当院では睡眠時無呼吸症候群も担当しております。睡眠時無呼吸症候群は簡易検査から精密検査、治療機器の導入も行っています。ポリソムノグラフィーという1泊入院での精密検査は、仙台市内でも実施可能な総合病院は少なく、多くのご紹介をいただいています。
蓄積された医学的知見、医学的根拠に基づく治療を実践しながら、適切なチーム医療を行っております。呼吸器疾患は聞きなれない病気もあり様々ですが、外来・入院ともに分かりやすい説明を意識しています。
当院は日本呼吸器学会および日本呼吸器内視鏡学会の認定施設に指定されています。現在、5人の常勤医師が診療を行っております。うち3名が日本呼吸器学会呼吸器専門医、うち2名が指導医を取得しており、充実した体制で診療を行なっております。
肺炎は、細菌やウイルス、真菌などの病原微生物に感染して、肺に炎症を起こす病気です。子供から大人までかかってしまう身近な病気ですが、高齢者では死亡率が高く、日本人の死因の上位に位置しています。治療は原因の病原体の検索を行いながら、抗生物質などを投与します。呼吸の状態が悪化し、酸素吸入が必要になった際には酸素吸入を行います。当院では通常の酸素マスク等に加え、患者様の負担の少ない高流量鼻カヌラ療法も行なっております。予防接種による備えも重要です。
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は,睡眠中に何度も呼吸が浅くなったり止まったりすること(無呼吸といいます)で、睡眠の質が低下し日中の眠気を催す疾患です。いびきを指摘されたり、寝ても疲れが取れなかったり、寝苦しさを自覚したりなどが多い症状です。日中の眠気が日常生活の支障となることはもちろん、生活習慣病の悪化等にもつながる重要な疾患です。精密検査で一定以上の無呼吸が認められれば、CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)等での治療を勧めることになります。
気管支喘息は気管支にアレルギーを主とした慢性炎症が起こることで気管支が敏感になり、発作的に気管支が収縮することで喘鳴や咳を起こす疾患です。症状に加え呼気一酸化窒素濃度測定、肺活量検査などを用いて診断し、吸入ステロイドや気管支拡張薬配合剤を主とした治療を行っています。また、重症例では抗体製剤による治療も行っています。抗体製剤は高価ですが、難治性喘息の方の症状やQOLを劇的に改善する効果が期待されます。
タバコの煙を主とする有害物質を長期に吸入することで肺が壊れ、袋状(のう胞)になり細い気管支が潰れやすくなる、喫煙習慣を背景に中高年に発症する病気です。吸入の長時間作用性気管支拡張薬を中心とし、患者様に合わせた吸入薬をお勧めしています。近年注目されている喘息合併例では吸入ステロイドを含む吸入療法を行っています。禁煙指導、呼吸リハビリテーション、在宅酸素療法など包括的な診療を行っています。
健常な方であればただの風邪で済むものがCOPDの方では痰量の増加や喘鳴が出現し重症化することがあります(「急性増悪」と呼びます)。そうならないように、禁煙はもちろん普段からの吸入薬治療が重要です。
肺胞という肺を形成するとても小さな袋の壁に炎症や損傷が起こり、壁が厚く硬くなるため、酸素を取り込みにくくなる病気です。
原因が特定できない特発性間質性肺炎、膠原病に伴う間質性肺疾患、特殊な環境抗原吸入による慢性過敏性肺炎などがあります。気管支鏡検査などによる適切な診断と治療を行っています。