平成28年4月現在(外来担当医表は毎月更新)

外科 大越 崇彦

当院での乳癌治療について

 最新の知識と診断技術、ガイドラインやエビデンスに基づいた治療とフォローアップ、を念頭に治療を行っています。

 画像診断では、デジタルマンモグラフィー、エラスト機能付きエコー、3テスラMRI、などによる精密検査が可能であり、組織診断では、エコーガイド下での、コアニードルバイオプシー(針生検)や吸引細胞診、を実施しています。

 なお、毎月2回、東北大学病院乳腺外科の医師に定期出張をお願いしており、診断が難しい症例や治療方針の選択に迷う症例などについて、相談や実際の診察を行っており、大学病院と同レベルの診療を行っております。

 年間の乳腺疾患手術件数は20-30例で、乳房温存手術を積極的に施行し、半数以上の症例でセンチネルリンパ節生検を行っており、RI法と色素法の併用によってその同定率はほぼ100%です。これにより傷の小さな手術、乳房温存手術が可能となりました。

 術前術後の抗癌剤治療は、専用の外来療法室を利用し、原則的に外来通院で行う体制を整えています。
(なお、放射線療法は、治療可能な他施設に紹介して施行しています。)

 

乳がん検診について

生涯に乳がんを患う日本人女性は、現在、およそ12人に1人と言われており、乳がんで亡くなる女性は、2013年に1万3000人を超え、1980年と比べて約3倍になっています。

年齢別に見ると、乳がんは 30代から増加しはじめ、40歳代後半から50歳代前半にピークがあり、70歳を過ぎてもそれほど減りません。一方、若い年代で乳がんを患う女性もあり、若い時から関心を持つことが大切です。

欧米では、検診受診率の向上により早期発見例が増え、死亡率が年々減っていますが、日本の乳がん検診受診率はOECD(経済協力開発機構)加盟国30か国の中で最低レベルであり、年々死亡率は増加傾向にあります。乳がんは早期発見により適切な治療が出来れば、良好な経過が期待できます。

日本で乳がんにかかる人の数は、乳がんで死亡する人の3倍以上であり、これは、もし乳がんにかかっても、生存率が比較的高いことを示しています。

以上の点から、症状のある方は早めの外来受診を、症状のない方は、定期的な乳がん検診を、お勧めしています。

 

マンモグラフィー検査について

 乳房を専用のデジタルX線撮影装置で圧迫しながら撮影します。圧迫することと、最新のデジタル装置によって被爆を減らし、乳房内部の細かい様子が観察しやすくなります。撮影は1方向の場合と2方向の場合があり、時間は15分から20分程度です。X線検査ですので放射線被曝は避けられませんが、乳房だけの部分的なもので、骨髄などへの影響はなく、1回の撮影で受ける放射線被爆による危険性は非常に低いと考えられます。

 本院はNPO法人「マンモグラフィー検診制度管理中央委員会」が規定する「マンモグラフィー検診施設」の認定を受けています。(マンモグラフィー用診断機器や画質が一定レベルに達しているということを意味します)。

 また、「マンモグラフィー検診制度管理中央委員会」はマンモグラフィーを一定水準の精度で読影する医師、撮影する技師、の認定も行っており、本院でも講習会及び試験を受けて資格認定された医師、技師が担当しています。

 マンモグラフィーでは、石灰化やしこりを示す陰影の有無、などをチェックします。特に早期がんの発見につながる石灰化、を拾い上げられるのが特徴です。また、左右の比較、過去画像との比較によって、微妙な変化をとらえることができます。マンモグラフィー読影認定医の資格を有する外科医が読影するほか、毎月2回、東北大学病院乳腺外科から専門医を招いてダブルチェックを行うことで読影精度を高めています。

 なお、20-30代の方、授乳中の方、40代以降でもごく一部の方、では乳腺の濃度が高いためにマンモグラフィーだけでは異常を検知することが困難な場合があります。どんなに質の良い撮影と読影が行われても、マンモグラフィーのみでは約10%の乳がんが見落とされる恐れがあると言われています。

 これらの症例に対しては、超音波検査を優先する検診や、マンモグラフィーと超音波検査を併用した検診が考慮されるわけです。

 したがって、当院では、症状があって外来を初診された方には、原則的に、マンモグラフィーと超音波検査の併用をお勧めしています。

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