院長室だより

院長 桃野 哲

沖縄は既に梅雨が明けましたが、九州、中・四国地方、特に地震被災地の熊本では梅雨前線の影響による大雨で、地震に加えて土砂崩れや増水での被害が出ています。一方、関東では春から降水量が少なく、東京の水瓶になっているダムの貯水量が大幅に減っているとの報道です。九州の雨雲を全て関東に移動出来ればいいのですが、残念ながらできません。4月以降、仙台の気候は気温が高く雨の日は少なくて、6月13日頃に梅雨入りしたようだと発表されても、晴れの日が続き本当に梅雨なのか疑問でしたが、ここ数日は梅雨空になりました。皆様はいかがお過ごしですか。

日本赤十字社について

日本赤十字社は、昭和27年に制定された日本赤十字社法・定款により、社員制度を根幹に運営されてきましたが、社会環境の大きな変化に伴い時代に合わない様々な課題も出てきました。そこで、4月に組織の根幹になる社員制度についての定款を変更し、より国民にわかりやすく、参加しやすい制度にして、将来も持続可能な制度へと改正しました。主な変更は、「社員」を「会員」とし「社費」を「会費」と呼称し、年額2000円以上を納めて本社の目的に賛同して運営に参加する個人及び法人を「会員」として、会員以外の500円以上を目安に協力いただく支援者を「協力会員」とします。また、赤十字病院はこれまで支部の監督を受けていましたが、これを外して本社の組織を変更し、血液センターを血液事業部にまとめたように、医療事業推進本部をつくってそのもとに病院がまとまりました。

日本赤十字社が取り組んでいる重要なことは災害救護で、5年前の震災やその後に発生した災害の救護活動での経験を生かして、各県支部や病院が協調して災害時に最適な救護活動が行えるようにと努力しています。また、災害発生に備えて毛布や緊急セットの救護物資などを、皆様からいただく「会費」や「寄付」で購入し備蓄しています。

皆様の日本赤十字社へのご協力をお願いします。

赤十字の災害救護と熊本赤十字病院及び熊本地震について

熊本地震でお亡くなりになった方のご冥福をお祈りし、被災された皆様にお見舞い申し上げます。

今年の3月11日は東日本大震災から5年目で、被災地では慰霊の行事とともに、震災復興事業についての評価や、震災を忘れずに防災に取り組む行事が行われました。

それから1か月経った4月14日21時過ぎ、熊本市で断層が動いたことによる、震度7の地震(前震)が発生しました。震源から熊本赤十字病院までは数キロで、余震はその後も続きましたが、病院の職員は災害時のマニュアルに沿い多数が病院に駆け付けて、怪我をした被災者などの診療に従事しました。

これまでの赤十字の災害救護活動で、熊本赤十字病院は常に最先端で活動しており、災害救護に関しては赤十字病院の中で最大のノウハウを有する病院です。東日本大震災の際には、手術室や重症患者を収容するICUなどを荷台に組み込んだ特殊大型トラック数台と救急車などの救護班が、発災直後に熊本を出発して、石巻に到着するや否や石巻日赤病院の玄関前に災害救護所を開設して活動しています。石巻に出動した大型トラックの救護車両は、近くの公民館で救護活動を行っています。

16日1時過ぎ、熊本の病院職員の話では前震による被災者の救護活動が一段落して帰宅してぐっすり眠っていた時に、再度震度7の地震(本震)が発生し、前震よりも揺れが大きくて長く生きた心地がしなかったそうです。この本震の被害は大きくて、倒壊家屋が増えて、その下敷きになっての死者も出ました。ほとんどの職員が地震の被災者で、自宅が倒壊して住めず救護所から出勤とか、車中泊している職員が多くいたのですが、出勤して押し寄せる救急患者さんに対応し続けました。

地震発生から間もなく、石巻赤十字病院からはdERUと救護班が熊本に向けて出発し、各赤十字病院からも職員が救護班やDMATの一員として出動しました。また、日本全国からDMATや医師会などの救護班が熊本に出動しました。赤十字の救護班は、交代しながら長期にわたって救護活動を行っています。

熊本赤十字病院で不眠不休で救急患者に対応している多くの職員は被災者でもあり疲れてきていたので、そのサポートに医療事業推進本部が全国の赤十字病院に支援要請を出しました。すると、その日のうちに各地の病院から手上げがあり、医師10名、看護師30名に事務職数名からなるチームが、直ぐに数チーム編成出来て、交代して熊本病院に出向いての支援が6月上旬まで継続されました。この震災でも、救護班の派遣や現地での救護活動の指揮、被災病院の支援では全赤十字病院がまとまり、これまで蓄積した日本赤十字社のノウハウが生かされました。当院の救護活動については隣のページをご覧ください。

未だに地震が発生していますが、一日も早い沈静化と大雨などによる更なる被害が出ないことが望まれます。

(H.28.6.24)