院長室だより

院長 桃野 哲

 仙台では春の連休からつい最近まで、雨の日が少なく夏日を何度も記録していますが、皆様はいかがお過ごしですか。全国的にも5月は雨が少なく、葉物野菜が育たず不足して高値になりました。6月中旬、エルニーニョ現象の影響で九州に梅雨前線が停滞して、降雨量が例年の数倍に達して洪水やがけ崩れなどの被害が出ています。東北の梅雨入りは遅れても、日照不足で低温の梅雨寒だとの予報もあって気がもめます。また、韓国ではMERS(中東呼吸器症候群)の感染者が170名を超えて、死者も27名出ています。船や飛行機で行き来する人が多い隣国なので、日本での流行も危惧されますが、過度に怖がらず、しかし、油断することなく対応したいものです。

内科の診療体制

 消化器内科は、4月に大楽部長、矢口医師が赴任して、午前の外来診療を毎日行う体制が整いました。同様に糖尿病代謝科でも宮口部長と大学応援医師で外来診療を毎日行い、入院の受入れも再開しました。これまで、医師が居ないことから診療制限をして、長い間ご迷惑をおかけしましたが、新体制が動きだしましたのでよろしくお願いします。呼吸器内科や腎・血液内科等は従来通りです。

大規模地震災害対応消防訓練について

 6月13日に、今年度の災害対応訓練を、長町利府断層を震源とするマグニチュード8で最大震度6強の仙台市直下型地震が発生したとの想定で、当院職員、八木山防災連絡会、八木山と山田鈎取赤十字奉仕団、翠風苑、白石高校看護科学生、石巻赤十字病院DMATの皆さん、あわせて200名余の参加の下に実施しました。詳細は大規模災害訓練の記事をご覧ください。

災害は起きないに越したことはないのですが、備えあれば憂いなしで、訓練に参加して、「災害が起きた時にはこうしよう、ああしよう」とあらためて考えて頭の整理が出来たとすれば、それだけで大きな収穫です。もし、家族が一緒の時などに地震に遭遇したら、怖がって騒ぐだけではもったいないので、家族で避難や連絡法について互いに話し合い、確認する機会にしましょう。

地域医療構想について

 新聞やテレビで、2020年頃の日本では団塊の世代が75歳以上になり高齢者が多くなるので、年金や医療等の社会保障を今のままで続けると社会保障費が増えて財政が破たんすると何度も報道されています。以前、Red Crossせんだい90号で、社会保障制度改革国民会議からの提言、『高齢者が多くなるこれからは、病院での「治す医療」から、「治し支える医療」へ・「病院から地域へ」へと変わっていくことが必要』を紹介しました。最近、経済財政諮問会議からは、国の財政赤字を健全化するために、社会保障費の伸びは3年間で1.5兆円にとの目安が示され、民間議員からは高額所得者の年金支給を抑え、ジェネリック医薬品を80%以上使用等の提言がなされたことはご承知と思います。

このような流れの中で6月16日、全国の病床数削減の新聞記事に、宮城県の病床数は2025年までに、全病床数の12%、2400床を削減とありましたが、医療費の増加が抑えられるようにとの期待から、病床数を削減するものです。欧米に比較して日本は人口当たりの病床数が多いので、入院期間が長期になり、延べ入院患者数も多くなって、医療費が増えると言われています。確かに、人口比での病床数が多い地域では、社会的入院なども増えるので延入院患者数が多くなりがちで、結果的に医療費増に繋がっていることは否定出来ません。

現在、仙台医療圏の病床数を12%減らしても、患者さんが入院出来なくなる状況にはありません。しかし、2025年には高齢者が多くなって病気になる人も増えると予想されるので、入院治療が必要な患者さんは今よりも多くなると考えられます。これから地域医療構想について協議することになる宮城県では、医療費を削減することのみを目標にした数合わせで病床数を削減するのではなくて、入院が必要な患者さんは入院出来るような病床数に設定されることを希望します。