院長室だより

病院長 桃野 哲

新年あけましておめでとうございます今年もよろしくお願い致します

 皆様におかれましては、素晴らしい新年をお迎えになったことと思います。
今年も仙台赤十字病院は、地域の皆様が急病になった時に安心して掛かれる病院をめざし、職員一同努力して参ります。

診療について

 電子カルテも導入から、ほぼ一年が経過して診療のペースも大分良くなって来ましたし、昨年4月から外来で取り組んだ新しい会計システムも修正を積み重ねてなんとか軌道に乗り、皆様からお褒めの言葉も頂けるようになりました。このことでは皆様にご満足いただけるかと思います。一方、外来の待ち時間については、一部の診療科では短縮出来ず、いまだに長くなっていて、ご迷惑をおかけしています。今の医師数で現状と同じ診療をするには、患者さんが多いので、どうしてもマンパワー不足になり、物理的に対応出来ない状況です。ご承知のように、県内では診療科によっては医師数が不足しているので、当院のスタッフをどうしても増やせない状況です。申し訳なく思い心苦しいのですが、努力しますので、当院での診察をどうしても希望される方にはここ暫らくは長時間お待ちいただき、時間に余裕の無い方は担当医から紹介を受けて他施設で受診していただくようお願いします。

当院にとって懸案の病院建設計画は、地域医療圏での医療の再構築問題や、近年の建設費高騰などで進行が遅れておりますが、刻々と変わる周辺の医療事情に則した病院建設の計画を進めて参ります。

2025年問題に向けて

 皆様は2025年問題という言葉に聞き覚えがあると思いますが、当院はこの問題に対応して準備を始めています。2025年には人数の多い団塊の世代の年齢が75歳以上に達して、病気になりやすく介護が必要になる人口が増えます。相対的に入院病床や介護施設が不足して、医療費や社会保障費が膨らむことになります。医療法改正で、県知事がまとめ役になって2025年までに、病床数や介護施設の配置などについて、地域医療圏毎に再構築をすすめることが決まっており、当院もそれに向けて仙台医療圏での立ち位置を明らかにする必要に迫られています。当院としては、産科と新生児科が総合周産期母子医療センターで総合周産期の、整形外科では主に下肢の関節や小児整形を中心に高度急性期医療を提供し、その他の診療科では地域の方々が罹患する一般的な疾病についての一般急性期の診療を主として担うことを考えています。

新病院の建設について

 当院にとって懸案の病院建設系サックは、主に近年の建設費高等などで侵攻が遅れております。これからも、刻々と変わる周辺の医療事情に則した病院建設の計画を進めて参ります。

アベノミクスと日本の医療

 14日の衆議院選挙では政権与党が三分の二以上の議席を獲得して、アベノミクスを掲げる安倍政権が当分続き、2017年4月には消費税が10%に増税されそうです。消費税増税分は社会福祉の財源になると決められていますので、他に流用されることなく確実に社会福祉の財源になることを期待します。昨年4月に消費税が8%に増税された際には、同時に実施された診療報酬改定で3%の増税分に対応した診療報酬の上乗せが行われませんでした。診療報酬改定の影響調査では、多くの病院で上半期の収支は前年度の黒字から赤字になっており、当院もそうでした。病院では製造業などとは異なり収支が黒字になっても、黒字額は殆どの病院が収入の1%未満で、例外的に多い病院でも数%です。病院の経費比率は、薬剤費や診療材料費が収益の30%前後で業務委託費の5%を加えるとおよそ35%で、これに消費税がかかります。病院の収益の35%を占める費用に、3%の消費税増税分が上乗せされるので、病院の費用は1%以上増加して、多くの病院が黒字から赤字に転じました。安倍政権の経済政策で医療についての言及は余り見られず、アベノミクスでは医療分野への配慮は乏しく、基本的には小泉政権時代と同様に医療費削減になりそうで、当分の間、病院にとっては厳しい時代が続きそうです。医療崩壊が起こらなければと心配です。新年にふさわしくない内容になったことをお詫びします。

(平成26年12月24日)