仙台赤十字病院広報誌-診療科から-腎臓内科

腎臓内科部長 山口 裕二(やまぐち ゆうじ)

 腎臓内科では,慢性糸球体腎炎・ネフローゼ症候群の診断・治療に始まり、保存期から透析期までの腎機能低下に応じた継続的な管理・治療を行っています。IgA腎症に扁桃腺摘出術とステロイドパルス療法を行う等、慢性糸球体腎炎の治療法が進歩してほぼ治癒する例が増えています。しかし当院では動脈硬化性の腎硬化症や糖尿病性腎症の患者さんを中心に、毎年30名前後の方が血液透析導入となっています。血液透析を行うためには、200~250ml/分の血液を透析器(ダイアライザー)に通さなければなりません。しかし、若い男性の太い静脈でも血流は50ml/分程度しか得られません。このため手首の動脈と静脈をつなぎ合わせて内シャントを作る必要があります。内シャントは術後約2週間で発達し、治療に必要な血流量が得られるようになります。
日本では自分の血管を使用した内シャントが主流で、人工血管に比べて長期の開存率が良好とされています。当院では私たち腎臓内科医が年間約30件手がけております。

  一方,透析期間が長くなると、内シャントは繰り返し穿刺されるために内腔が狭くなり、血流が得られなくなることがあります。以前は、狭窄していない部分や反対側の腕で改めて内シャントの手術が必要でした。現在では、狭くなったシャント血管をまた使えるように経カテーテル的血管拡張術(PTA)が行われます。方法は、バルーン(風船)の付いたカテーテルを狭窄部まで進めて、10~15気圧の高圧でバルーンを膨らませ拡張する、と言うものです。

当院では毎年70件程行われています。PTAは全身への影響が少なく、翌日から穿刺できるため入院が短いのが特徴です。最近はシャントの作り直しは著しく減りました。
  内シャントは血液透析を行う上で大変重要で、治療手技が進歩しても出来るだけ傷めないようにしなければなりません。私たちは定期的に患者さんの内シャントを観察して、早期に変化を察知して予防や対策を講じるよう心がけています。

 

 

 

 

 

 

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