仙台赤十字病院広報誌-診療科から-新生児科

総合周産期母子医療センター新生児科

新生児科副部長 三条雅敏

 “周産期”とは出産の前後の時期という意味です。産科と新生児科両方の医療が必要になる時期で、周産期センターはそのふたつが組み合わされた施設です。宮城県内には11の施設があり、病床数が最大でその中心的な役割を担っているのが仙台赤十字病院総合周産期母子医療センターです。
“新生児”とは、生まれてから1ヶ月健診を受けるあたりまでの赤ちゃんのことで、“新生児科医”とはその新生児を専門にする小児科医のことです。新生児は子どもとは違う特徴をたくさん持っています。まして未熟児の赤ちゃんは特殊なことばかりです。体も血管の太さもあまりに小さく、使う器具も特殊です。ですから、赤ちゃんの医療処置には専門知識と小さな身体の扱いに熟練した新生児科医が必要なのです。
 妊娠中に未熟児で生まれることが予想されるときや赤ちゃんに病気が見つかったときには、産院からの紹介を受けて産科医が妊娠中から診療を行います。
 産院で生まれた赤ちゃんの病気が重症で、すぐに新生児科医による処置が必要な場合があります。そんなときには、新生児搬送専用ドクターカーに医師が同乗し急行します。到着しだい必要な治療を行い、速やかに専門施設へ搬送します。新生児搬送専用ドクターカーとは、体が冷えやすい赤ちゃんを暖かい保育器に収容したまま搬送することができ、車内に人工呼吸器などの医療機器を設備した救急車のことで、宮城県内では当院のみが配備しています。
 新生児科の医師は、新生児特定集中治療室(NICU)と呼ばれる病室で、予定日より早く生まれた赤ちゃんや体重が小さい赤ちゃん、生まれつきの病気を持った赤ちゃんたちの診察・治療を行っています。看護師は赤ちゃんのちょっとした変化に気を配っていて異常に素早く対応しています。放射線技師は赤ちゃんの負担を減らすためNICU内でレントゲン撮影をします。体重が300g台の小さな赤ちゃんでも、臨床検査技師がわずかな血液でいろいろな検査を行っています。薬剤師は赤ちゃんのために特別な配合で薬を作ってくれています。NICUの中には高度な医療機器がたくさんありますが、臨床工学技士がしっかり管理しています。臨床心理士、社会福祉士、事務員が家庭環境や経済状況をサポートします。手術室と同等のクリーンルーム環境を看護助手が維持しています。小さな命を守るためにNICUのスタッフはそれぞれの役割を確実に行い、24時間、365日、赤ちゃんのためにできることをチーム医療で行っています。
 新生児科医は元気に生まれた赤ちゃんにも出生翌日と退院日に診察を行っています。また、1ヶ月健診も担当しています。帝王切開での出産には必ず新生児科医が立ち会います。自然分娩でも産科医・助産師の要請があればすぐにかけつける体制が整っています。
 何が起こるのか分からないのがお産です。仙台赤十字病院総合周産期母子医療センターは、“お母さん・赤ちゃん”のためのスペシャリストチームで安心・安全な“お産・子育て”をサポートします。


新生児搬送専用ドクターカーの点検


新生児特定集中治療室(NICU)


退院前の哺乳練習

 

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