日赤医療集談会

第116回仙台日赤医療集談会 (平成24年3月30日)

「当院の地域医療連携室の現状について」

中川 国利

 当院の基本方針の1つに、「総合的な診療、特殊性のある診療、災害救護活動などを通じて地域に貢献します」を掲げております。しかし、疾病構造の変化、医療ニーズの多様化、医療提供体制の機能分化に伴い、1人の患者さんを1施設だけで完結させることは困難になっております。そこで地域の住民から信頼される地域完結型医療を行うために、地域の診療所や病院などの他医療機関との親密なる連携が必要とされております。
 仙台赤十字病院は診療科23科、病床数359床、職員総数689名を有し、主に検査、処置、手術や入院が必要な患者さんの診療を積極的に行っております。一方、地域の診療所は幅広い医療と健康相談にも応じてくれる、身近な「かかりつけ医」です。地域の限られた医療資源を有効に運用するため、患者さんには是非「かかりつけ医」を持たれることを勧めます。そして「かかりつけ医」と当院とが密に連絡を取りながら、必要に応じて当院での治療を行って行きたいと思います。また当院で行えない治療は、他の専門病院へ紹介したいと思います。
 今後も仙台赤十字病院の特異性を強調しながら、地域の診療所や病院との連携を強力に押し進め、地域の住民の健康を守りたいと思います。御理解・御協力を宜しくお願い致します。


本郷 長志

 平成23年8月16日にオープンした地域医療連携室では、「FAXによる紹介患者の予約受付」、「各種医療相談」、「転院及び退院調整」、「連携推進及び広報活動」などを行っています。オープン後6ヶ月間(平成23年9月~平成24年2月)の状況を次のとおり報告します。
 地域医療連携室取扱紹介患者の月件数は、オープン当初と比較すると46.5%増加しており、地域の医療機関に地域医療連携室が認知されつつあると判断します。診療科別紹介率は、放射線科、泌尿器科、外科、消化器内科、整形外科の5科が60%以上と高くなっており、神経内科と小児外科は地域医療連携室取扱紹介患者の割合が60%以上で、この2科の殆どがFAXによる予約を取って受診しております。
 地域医療連携室が稼働して7ヶ月経過したが、地域医療連携室取扱患者数及び紹介患者数が伸び悩み、大幅な増加には結びついていない状況です。その対処策として、初診で当院を受診した患者さんには紹介状がないと、初診時特定療養費3,150円がかかる旨の説明を徹底して紹介状の必要性を周知し、「かかりつけ医」の案内文書を配布して啓蒙活動と情報提供を行って「かかりつけ医」の推進を図ります。一方、紹介元医療機関には、返書管理を充実して返答の徹底を図ります。また、開業医の先生方の中には、FAX診療予約制の有効性をFAXで更に啓蒙し、ご協力を得られるように広報活動を継続していきます。


大棒 美香

 平成23年8月より地域医療連携室に看護師が1名配置となりました。
 その役割の1つは、『紹介元の医療機関からの患者の紹介に関する対応・調整担当 』です。“どの診療科に紹介すれば良いか”という相談や“転院・緊急入院可能か各診療科への調整”等を行っております。
 もう1つは『退院調整看護師としての役割 』です。介護や育児上の問題があり自宅への退院に支援・調整が必要な方の相談・調整、より専門的な診療が必要な場合や訪問診療希望などの場合、他医療機関への逆紹介の相談・対応を行っております。退院調整は医療社会福祉士3名と協働し、病棟より相談があった患者さんの在宅療養の検討やその患者さんに合った在宅療養を可能にするための方法等の看護マネジメント、訪問看護が必要な場合は引き継ぎを行います。また、退院支援・退院調整の院内システムを見直し、今後さらに患者さん・ご家族が納得できるような退院支援・調整を目指して行きます。


 これからも地域の皆様に信頼される病院であるために頑張っていきますので、皆様のご協力をお願いいたします。