診療科から

「新しい骨塩定量装置」と128列CTの紹介

放射線科部長 岡田 秀人

 玄関を出れば厳寒な日々になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。放射線科の近況をご紹介いたします。「放射線」という言葉は被ばくや汚染といったイメージが強く、すっかり悪者になってしまいましたが、病院で使われている「放射線」は患者さんを診療する上で利益の方が大きく、その悪影響も人体に害を与える程ではありません。病気を振り払い、病気に打ち勝つために必要なもの、患者さんに幸せを運ぶ黄色いハンカチーフの様なものです。
 さて、今回は2011年2月に稼動した骨塩定量(こつえんていりょう)の機械と2011年12月に導入された最新の128列CT(シーティー)をご紹介いたします。
 2011年2月に骨塩定量の機械が新しくなりました。これは骨がどれだけ折れやすくなっているかを調べる機械で、これを用いて骨粗しょう症(こつそしょうしょう)の診断をします。骨粗しょう症とは骨がもろくなり骨折しやすくなる病気で、腰や股関節を骨折して初めて気づき、その後寝たきりの生活になる場合もあります。自覚症状のない人も含めると日本では1100万人超、その8割が女性で、60代女性の3人に1人、70代女性の2人に1人がかかっていると推計されています。新しく入った機械はホロジック社の「QDR-discovery A型」といい、その主な特徴を以下に示します。

① 撮影時間が短いです。1方向の撮影時間が40秒で8年前に導入されたものの5分の1ですみ、通常の検査時間で正面と
  真横の2方向から測定ができ、精度が高まります。
② 全身撮影を3分半で行え、全身の骨の密度を評価できます。
③ 測りたい所を7ヶ所まで自由に選べるので、腰や股関節のみならず肩、膝、足関節なども行えます。
④ 体重3~10kgくらいの子供の自動全身解析も可能です。

 ホロジック社の納入実績において、全身を撮れる優れた機械は宮城県で6施設目、東北地区で22施設目です。骨粗しょう症のご相談、思い当たる節のある方、ご希望の方はお気軽にお尋ねください。
 2011年12月にCTがバージョンアップし従来の64列から128列になりました。CTは人体を輪切りの画像にする機械で、新しく導入された機械はシーメンス社「Definition AS+」といい、その主な特徴を以下に示します。

① 撮影速度が速くなりました。1回転0.3秒で128スライスの撮影ができます。撮影時間はこれまでの64列CTの半分以下です。
  胸部の場合5秒程度の息止めで済みます。心臓の冠動脈(かんどうみゃく)や胸腹部の血管の3次元表示に有利です。
② 逐次近似法(ちくじきんじほう)を利用して被ばくを減らす機能が付いています。例えば成人男性が胸部CTを行った場合、
  10年くらい前のCTでは約7mSv(ミリシーベルト)被ばくし、3年前に導入した当院の64列でも3mSvでした。それがこれからは
  1.2mSvになり、大きく減ります。
③ ガントリ径が広がりました。これまで直径70cmであった中央のスペースが78cmになり、お相撲さんの様な体格の良い人や、
  麻痺があるために腕を挙げられない人も入り易くなりました。

 1回転で128スライス以上のデータを得る事のできるスピードのあるCTは宮城県で5施設目、東北地区で13施設目です。更に逐次近似法を用いて被ばくが激減する機能を持ったCTは宮城県では当院が初めてです。被ばくに敏感な赤ちゃんや子供には特に朗報です。だからと言って、主治医の先生に「胸部だけでなくお腹も、頭も。」なんて言わないで下さいね。少ないとは言っても被ばくはするんですから。
 以上、放射線科の近況をご紹介いたしました。

 

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