院長室だより

院長 桃野 哲

新年あけましておめでとうございます。

 皆様にとって2011年は、忘れられない大変な年だったと思われますが、私どもにとっても試練多き年でした。皆様と一緒に新しい年を迎えられることを嬉しく思い、感謝致します。

 当院では震災により診療機能と建物に影響を受けましたが、職員の協力によって震災翌週から、ほぼ通常の診療が出来ました。水道と市ガスが長期間止まって入院中の患者さんには入浴などで迷惑をおかけしましたが、職員が心を一つにして頑張り、また、全国の皆様から当院への暖かいご支援を頂いたことで、あの危機を何とか乗り越えられました。私どもは、被災直後から、多くの個人、団体、企業や各地の赤十字病院から、食べ物等々、支援物資の提供をつぎつぎと受け、同時に多くの元気も頂戴しました。皆様に、改めて感謝致します。
 4月以降、診療体制も経営状況も徐々に元に戻って、9月頃には完全に復活しました。建物には、診療に支障を及ぼす程の大きな損傷は有りませんでしたが、耐震壁にヒビが入るなどいろいろな所が痛んで、修理が必要となりました。建物の修復には1億2千万円を要したものの、国から補助金も頂いて、お陰様で復旧工事はほぼ終了しています。
 とても残念なことですが、原発事故の収拾にはまだまだ時間がかかると思われます。しかし、暮れには遅ればせながら補正予算が通りましたので、被災地ではこれから工事が本格的に始まり、復旧への動きが加速して、復興の目途が1日でも速く立つことを祈ります。


2012年を迎えて

産婦人科外来の整備

 産婦人科外来をプライバシーに配慮して個室化し、妊婦指導室を開設する等の工事を正月早々から始めます。診療しながらの工事で迷惑をお掛けしますが、ご協力をお願いします。

入院ベッドの更新

 当院のベッドは、ほぼ30年間使用中で大分くたびれて来ています。患者さんからは「寝返りするとギシギシと音がするので周囲に気兼ねして寝返りも出来ない。新調して下さい。」との投書もいただいており、現場の看護スタッフからも強い要望があります。新年度早々には、安全に配慮された最新の電動式ベッドへの更新が出来るように準備中です。

レントゲンテレビの更新とデジタル化

 放射線科から要望されていた古いレントゲンテレビ2台を更新して、胃や大腸の画像データのデジタル保存が出来るようにします。これにより当院では、胸部写真やCT、MRIなどの検査の画像はフィルムに焼かず、画像データとしてハードディスクに保存されます。これによって、モニター上で診断が出来て写真を保管棚から取り寄せる時間が省けますし、外来やカルテ室のレントゲンフィルムの保管スペースが要らなくなって、より長期間にわたる画像データの保存が可能になります。

病室のバリアフリー化

 当院の建物は古く、バリアフリーの面からみると使い難い所が多々あります。最近出来た病院は4床室が個室感覚に近いか全館が個室で、病棟内は段差などが無いように配慮されています。建物は先の地震でも大きな被害を受けず当分は使えそうなので、近いうちに一部病室で段差を少なくする工事を実施することにしており、個室感覚の4床室への療養環境の改善工事についても検討中です。

長期計画策定

 当院の建物は築後30年で、手入れをしていて当分の間は使えるものの、そのうちに次々問題が出始めると推測され、新病院の建築について考える時期が来ています。同時に、この30年間で仙台圏の医療環境は大きく変化していますので、当院はその中でどのような方向に進み、役割を果たすか、病院のソフト面の見直しも必要です。今年は、次の仙台赤十字病院について考え、長期計画をたてて、機能を見直し、建物の立地と設計や建築資金の準備を並行してスタートさせたいと思います。


 3月11日から、もうすぐ一年になろうとしていますが、震災を経験してから職員のまとまりが強くなったような気がします。
 新年を迎えて、私どもは強くまとまり、皆様のご厚意に感謝しながら、当院を受診される患者さんに時代に遅れない医療を提供致します。
今年も仙台赤十字病院をよろしくお願い致します。