院長室だより

院長 桃野 哲

 東日本大震災から6か月が過ぎて、順調に復旧している所が有る一方、ようやく動き始めた所も有って、復興への歩みは鈍めと感じられます。原発事故による放射能の影響が次第に顕かになっていますし、7月末の新潟県と福島県での豪雨、9月に入っては台風12号による奈良や和歌山県での洪水や土砂崩れ、さらに台風15号が通った中・四国から東北では暴風雨で交通が乱れて洪水や土砂崩れの被害に見舞われ、東日本大震災と同様に台風15号でも東京では大勢の帰宅難民が発生しました。日本は立て続けに起きる自然災害で痛んでいます。被災された皆様の心労は如何ばかりかとお察し申し上げます。
 今年も暑さが厳しい夏でした。東北電力管内では、原発停止に加えて、7月末の豪雨水害により会津南西部で多くの水力発電所が被災して約100万kWの発電能力が失われ、暑くなりエアコンが使われて電力使用量がどんどん増えると、供給不足に陥って停電することが心配されました。TV等で「節電を」と声高に言われるので、そんな中で電気を使うのは何となく後ろめたい気になって暑さを我慢し、節電に協力するためエアコンを止めて、熱中症になった方もおられましたが、皆様はいかがお過ごしでしたか。
 原発事故から半年が過ぎましたが、最初から全ての情報が公開されなかったこともあり、解決への明白な進展は無いように感じられます。この所、政府から少しずつ、地域や食材等の放射能測定値や安全とされる食品の放射能レベルの目安が示され始めたので、それを基にすればある程度は個人的な対処も可能になりました。しかし、川俣町の花火のような風評被害は増えても減る気配は無く、TV・新聞等から入って来る情報は多様で、TVに出演する専門家には心配ないと楽観的な人がいればその真逆の人もいます。クリアカットに、ここまでが安全ですと示し得ないからなのでしょうが、風評に惑わされなくても、「どちらを信じればいいのか?」とつい混乱しそうになります。


院内コンサートが開催されました 

 6月以降、当院の玄関ホールでは、仙台フィルのメンバーの皆さん、ギタリストの長野文憲さん、指揮者の大野和士さんとオペラ歌手の皆さんにより、3回のミニコンサートが開催されました。入院、外来患者さん等、多くの方がプロフェッショナルの演奏や歌を楽しませていただき、最後は会場の皆さんで締めくくりとして「ふるさと」を合唱してお別れとなりました。出演の皆様、企画していただいた皆様、有難うございました。

震災被害の改修工事が行われています

 先の震災では、仙台市等の内陸部でもマンションや住宅等にかなりの被害が見られましたが、津波の被害が甚大過ぎたので、その報道は余りされませんでした。当院でも、建物には耐震壁にひび割れが発生して玄関ホールや廊下の壁が一部落ち、建物外では市水道本幹からの導水管が損傷し、玄関周囲の外回りにも被害を受けました。仮復旧で建物の安全を確保して、診療機能はすぐに回復出来ましたが、患者さんには不安と不便をおかけしながらの診療でした。本格的な改修工事を6月から始めて10月末に終了する予定ですが、改修費用は、保険金と国からの補助金でその大部分が充当出来ました。

医師の交代、その他

 7月1日より泌尿器科に當麻武信医師が、9月1日より循環器内科に盛田眞樹部長、10月1日より外科に小川仁副部長が着任しました。前任者と同様に、宜しくお願します。
 地域の先生方との連携を強める目的で、患者さんの紹介等の窓口になる地域医療連携室を立ち上げました。詳細は5ページをご覧下さい。そのうち、待ち時間短縮のために再来予約業務もやるようにと考えています。今、耳鼻科の診療では、一人当りに時間がかかり、慢性的に待ち時間が延長してご迷惑をおかけしています。申し訳ありませんが、対策を思案中なので、しばらくの間ご猶予下さい。
 東北ブロックの赤十字病院対抗スポーツ大会が、9月10日に仙台市で開催されました。震災後なので開催するか否か思い悩んだのですが、選手達は、全力でぶつかりあった試合後の懇親会で同じ赤十字で働く仲間として、災害救護の体験等を語り合い、互いの結束はさらに強まったようです。当院チームは、野球、バレーボール、フットサルで優勝する好成績で、それもあってですが、やはり開催して良かったなと思っています。