感染予防について・日赤医療集談会

冬に流行する感染症を予防しましょう!

感染対策室 看護師長 感染管理認定看護師 中村智代子(なかむら ちよこ)

 冬になると、なぜ、感染症が流行するのでしょうか。その理由は諸説ありますが、冬に流行するかぜやインフルエンザ、感染性胃腸炎を起こすウイルスは、低温・乾燥を好み、冬は生存率が上がって感染力を強めます。また、空気が乾燥すると、ウイルスを含む咳やくしゃみの飛沫が小さくなり、遠くまで飛んで伝播しやすくなります。
 一方、人は気温が下がって体温が低くなると、免疫力が低下します。空気が乾燥すると、喉や鼻腔の粘膜も乾燥し、粘膜の防御反応が鈍くなって、感染症に罹りやすくなるのです。
 冬に強くなるウイルスに負けないよう、普段の生活の中でできる感染予防を行いましょう。

◆こまめに手を洗い、うがいをする。
 外出から帰ったら、石鹸を使って、丁寧に手を洗いましょう。

◆室内の換気と加湿を十分に行う。
 インフルエンザウイルスは、湿度が50%を超えると半数が死滅します。
 湿度50~60%を目指しましょう。

◆食べ物の加熱処理をしっかり行う。
 ノロウイルスは、85℃1分以上の加熱で感染性が無くなります。

◆発症した人の便や吐物には、直接触れないようにする。
 使い捨てのエプロン、手袋、マスクを着用しましょう。

◆十分な栄養と睡眠をとり、体調を整える。
 栄養バランスのよい食事を心がけましょう。

◆咳エチケットを守る。
 熱、咳、くしゃみのある人は、マスクをしましょう。 

◆感染したかな?と思ったら、早めに受診をする。

 

第108回仙台日赤医療集談会

 平成22年9月24日(金)

「下肢の疲労骨折」

第一整形外科副部長 大沼 正宏(おおぬま まさひろ)

 疲労骨折とは、正常な強度の骨に、一度では損傷を与えない程度の微少な外力が同一部位に反復して加わり、損傷を引き起こしたものと定義されています。
金属に繰り返し力を加えると、通常は全く問題のない力なのに、折れてしまうのに似ています。疲労骨折は、1800年代に行軍骨折として軍事医学で扱われていたのですが、1900年代に入り、スポーツによる疲労骨折が報告され、スポーツ障害の一つとして認識されるようになりました。原因としてスポーツやトレーニングの過度の負荷が挙げられます。特に10 〜20歳代の青少年に多くみられ、発育期の特にまだ十分な筋力や骨の強度そして技術を持たないレベルのスポーツ選手が、短期間に集中的なトレーニングを繰り返すことにより発生することが多いと言われております。また床の材質やグラウンドなどの環境や、用具も要因となります。

  発生部位は下肢の骨に圧倒的に多く、脛骨、腓骨、中足骨そして大腿骨にも診られます。
症状としては、明らかな外傷がないのに、痛みが運動時に出現し、休息により消失します。ひどくなると、通常の歩行でも痛みが出現するようになります。痛い部分には、腫れ、熱感などがあり、押すと痛み(圧痛)が強くでます。

 上記のような症状が出た場合には整形外科を受診されることをお勧めいたします。病院での診察ではレントゲン写真を撮影しますが、 疲労骨折発生の初期には明らかな変化はみられないことが多く、時間を追って検査を繰り返したり、骨シンチグラムやCTスキャンやMRI検査も用いることもあります。
治療は、原因となったスポーツやトレーニングを約3〜4週間中止することが重要です。日常生活の制限は必要ありません。まれに難治性の骨折になることもあり、その場合には、手術的治療が必要となります。スポーツ再開の時期は、局所の圧痛がない・レントゲン写真で骨癒合が得られている・筋力が対側と同等になっていることが目安となり、段階的に負荷を増やすことが重要です。