院長室だより

院長 桃野 哲

院長室だより

新年度を迎えて

 当院は平成22年度を、新たに加わった働く仲間34人と一緒にスタートします。例年よりもスタッフの異動は少ないのですが、新人が職場に溶け込んできちんと仕事が出来るまでの間、しっかり指導して不十分なところはカバー致しますので、ご迷惑をおかけするかも知れませんがご容赦くださるようお願いします。今年度も私共は、当院を利用される皆様のご要望にどのようにしたら応えられるかを考えながら、一般的な疾患の急性期医療と総合周産期母子医療センターを中心とした周産期医療に力をそそぎ、赤十字病院として災害救護にも力を入れて参ります。
ご承知のように、22年の医療費改定は僅かですが数年ぶりにアップになります。これが当院の経営改善の追い風になって、今年度こそ、皆様からのご要望が多いトイレや駐車場の改修・整備、院内では医療機器・設備の更新などが出来ればと期待しています。  
外来診療では、待ち時間が長い、予約が取りにくいなどでご迷惑をおかけしております。少しでも予約を取りやすく、待ち時間短縮が出来るように予約システムを導入します。システムが動き出してからも十分に機能するように修正を加えて参りますので、皆様からもご助言やご提案をお願いします。また、ちょっと長すぎるなと感じた際には、遠慮なさらずにスタッフに言葉をかけてください。希望的観測になりますが早くなるかもしれませんし、更に待つことになっても理由がわかればわからないよりもイライラが治まるかも知れません。

今年も休日を3日間、5月1日(創立記念日)、9月23日(秋分の日)、12月29日(年末)に、通常通りの診療を行います。

平成21年度のご報告

収支の見込み  厳しい医療環境が続き、21年度も医業収支(診療による収入と診療に掛かる費用との収支)は約1.6億円の赤字になりそうです(昨年度は1.8億円)。診療収入は、入院で増加しましたが外来が減って、合わせて前年程度の予想です。職員の協力で委託費など診療に掛かる費用はかなり削減出来ましたが、増築棟工事の借入金支払い開始、結核病棟の運営や感染症対策でバス・トイレ付きの陰圧個室に改修した工事費用で経費は全体として増え、収支は赤字の見込みです。ただ、金額は僅かですが、前年よりも収支改善の方向が見えたのは幸いです。このことは、1年間当院を支持していただいた患者の皆様と、病院を祝休日に4日間オープンする等、経営改善に協力を惜しまなかった職員諸氏のおかげです。皆様に厚く御礼申し上げます。

結核病棟閉鎖  当院は、1972年(昭和47年、市内五橋の時代)に結核二類基準看護を取得し、それ以降は昨年11月まで継続して結核病棟を運営してきました。結核予防会がスポンサーのテレビCMで、ビートたけしさんが「この中の四人に一人が結核に感染しているかも知れないなんて、昔の病気かと思っていたよ。あんた大丈夫、他人事ではないよ・・・」と語りかけていますが、日本は今でも結核中蔓延国です。このような状況下で結核病棟を閉鎖するのは、これまで当院で結核の診療に努力してきた諸兄に申し訳なく思います。前号で述べましたが、結核病棟運営による赤字が年々嵩み、当院はその赤字を補填出来なくなって結核病棟を閉鎖したことにご理解を賜りたいと思います。岡山博呼吸器科部長が書いている3頁「結核病棟閉鎖にあたって-結核医療の歴史と現在-」の記事もご覧下さい。

災害救護活動  沿岸地域へのチリ大地震による大津波警報の発令をうけて、日赤宮城県支部から当院救護班に待機せよとの命があり、救護班は参集して出動に備えて待機しましたが、夜7時過ぎ津波警報に変わると待機は解除されて解散となりました。21年度、当院救護班の実際の出動はなく、県や市などの災害訓練への参加や待機で済み、何よりの一年でした。

嶋副院長が定年退職  副院長で麻酔科の嶋武先生が3月31日で定年退職されました。嶋副院長には、当院が現在地に移転してからの28年間、積極的に時代を先取りした麻酔に取り組まれて、手術室では安全で苦痛の無い麻酔を実践し、術後の疼痛の軽減にも十分に配慮して、手術を受ける患者さんを手術室と周術期管理でしっかりと守って下さりました。また、先生はそのお人柄から、手術室に出入りする外科系スタッフのみならず全職員に慕われており、副院長としては指導的役割を果たして病院経営の健全化と院内業務の改善に努める等で当院を牽引していただきました。嶋先生が病気で休むことなく28年間勤務されて、無事に定年を迎えられたことを祝し、あらためて先生に御礼を申し上げたいと思います。