日赤医療集談会

第99回 日赤医療集談会 平成21年3月27日(金)

第一産婦人科副部長 武山 陽一

『当院における最近10年間の多胎分娩について』

多胎とは、「2つ以上の胎児が同時に同一女性の子宮内に存在する状態」をいい、胎児が二人のもの(ふたご)を双胎、三人のもの(みつご)を品胎と呼びます。。多胎の妊娠・出産はリスクが高く、周産期専門施設で取り扱うことが望まれます。今回、最近10年間に当院で分娩した多胎についてまとめましたので報告します。

まず、宮城県全体ですが、総分娩数は1998年には22996件でしたが2007年には20179件と、約10%減少しています。多胎分娩は1998年には217件(双胎207、品胎10)、2008年は208件(双胎206、品胎2)でほとんど変化がなく、総分娩数の約1%を占めていました。


(表1)

当院での分娩ですが、双胎に関しては1998年は27件であったものが年々増加し、2007年には双胎78件となりました。今では県内の双胎の約1/3(品胎は全て)が当院で分娩していることになります(表1)。

当院を受診する時期ですが、始めは即入院という状況で紹介される例が多かったのですが、2003年を境に妊娠初期のうちに紹介される例が増え、即入院例が減っています(表2)。分娩時期をみてみると、32週以前で分娩となる例は増えていません(表3)。入院期間に関しても、長期入院が必要となる方の数はほとんど変わりがありません。すなわち、多胎のうちでも比較的低リスクのものが増えたと言えます。早くから当院で管理するようになったからリスクが軽減されたのか、以前は当院へ紹介されなかったような症例まで紹介されているのかは不明です。

   
(表2)                                       (表3)

多胎の分娩は基本的に帝王切開にしていますが、人数分の物品・人員の確保が必要なので、予定をたてて計画的に行いたいところです。初期から当院で管理する症例が増えてきたとはいえ、救急搬送されてきてすぐに分娩となるような症例もまだあります。居住地の関係で妊婦健診に通えない方もいますので、他の施設と情報を共有するためのネットワーク作りが急務と考えます。