院長室だより

院長 桃野(ももの) 哲(さとし)

 仙台の夏は過ごしやすく、15年前の冷害を思いだすほどでしたが、米の作柄は例年並とのことで一安心です。8月、北京オリンピックが華々しく開会、北島選手と女子ソフトボールの金メダル、ボルト選手の世界新、マラソンのワンジル選手は素晴らしく、見事でした。皆様も、好きな選手の活躍やスポーツをテレビ桟敷で楽しまれたことと思います。

お詫び・ご報告とお知らせ

微量採血用器具について
血糖測定に使用する微量採血用器具については、報道等でご存知と思います。当院でも、平成17年3月に針と周辺部分が使い捨ての器具に変更する前には、不適切と指摘された方法で器具を使用していました。当院では先端をアルコールで消毒し、針は使用の度に必ず交換して使っており、感染の心配は少ないと考えられます。しかし、平成17年3月以前に、当院で微量採血用器具を使用した方、使用したかもと思う方は、総務企画課で対応致しますのでご連絡下さい。また、当院ホームページの関連情報もご覧下さい。この度は、ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。

駐車場料金変更について
当院では、通院される障害のある方・高齢者・乳幼児・妊婦さんの専用駐車場として、第一駐車場を指定しております。ところが対象外の方が駐車して満車になり、対象者が利用出来ないことが多く、再三、適正な利用をお願いして参りました。しかし、改善の兆しが見られないので、本来の趣旨で利用いただくために、非対象者の駐車時には駐車料金を1時間毎に300円とし、割引処置はしないことにしました。9月下旬から実施していますので、皆様のご協力をお願いします。

アンケート調査に関連して

アンケートの結果は患者満足度調査のページをご覧下さい。フリーコメントで、入院食が不味いとご指摘を受ける一方で、とても美味しいとのコメントも有りました。日常、召上っている食事や好みで、両極端の評価になったと推察します。入院食は、塩分、蛋白や脂肪の量が、決められた基準範囲になるように調理します。温泉旅館やレストランでの食事、コンビニ弁当等と比べれば、肉や魚の量が少なく、揚げ物や脂肪も控えめの、薄味でサッパリ・チョッピリのメニューです。メタボで体重を減らす目的には、お勧めなのですが、私には、試食をすると物足りない気がします。その辺がメタボ圏から私が抜けられない原因はその辺にあるようです。ところで、メタボ検診が始まりましたが、皆様は受診されましたか。当院では検診は行っていませんが、検診後の精密検査や治療は致しますのでご来院下さい。
何時も整形外科は待ち時間が長いと指摘されます。市内の病院の整形外科では、病院間で連携して専門・細分化された分野を互いに分担し、施設で受け持つ専門的・先進的な分野を診療の特徴にしています。また、一般的な診療については、患者さんを紹介する等で、地域の先生方と協力して診療に当っております。当院の得意分野は、股関節、下肢、小児の整形外科です。今のスタッフ数では、多くの患者さんの一般診療への対応は難しく、紹介状が無い新患の場合にはどうしても待ち時間が長くなってしまいます。外傷等の緊急時以外では、先ずは近所の先生を受診していただくようお願い致します。

医療を取り巻く環境について

福島県立大野病院の産婦人科医師が刑事告訴された裁判を注目していましたが、先日、無罪判決が確定しました。死亡された女性のご冥福をお祈り致します。患者さんのご家族は、死因に納得いかない思いをされ、突然の死を受け入れられずにいるようです。この刑事裁判は、医療現場で働く者に大きな波紋を投じました。医療従事者の多くは、重篤な状態の患者さんに精一杯出来得る努力をして、結果が悪かったからと刑事裁判の被告にされて有罪では、萎縮して診療が出来なくなると考え、無罪が相当だと考えたと思います。救急での重症患者受け入れや、多くの合併症を持つリスクが高い患者さんの手術が避けられる心配があります。産科の現場では、安全のために、複数の産科医がいる病院でお産を取り扱うようにと、基幹病院に産科医を移動させた結果、医師不在によるお産休止や産婦人科休診の病院が増えて社会問題になっています。
医療にかかわるトラブルの多くは、思いがけない家族の死というような背景から生じますが、それについて裁判で争い、医学知識が十分に有るとは言えない裁判官の判断を仰ぐよりも、今、厚生労働省が設立を検討している第三者機関のようなところで、専門知識が豊富なメンバーで原因が究明され、類似事象の発生を予防する策がたてられればと考えます。
先日、医療安全全国共同行動“キックオフ・フォーラムin東北”が仙台で開催されました。この行動は、全国の病院と医療従事者、病院団体、各種医療団体が力をあわせて、医療の質・安全の向上と医療への信頼を確立することを目指す取り組みです。当院も参加して目的の達成に努力致します。
日本病院会が、今春の診療報酬改定の影響を7月に調査した結果では、改定前と後で計算(置き換え試算)をして比較すると、改定の影響は0.5%のマイナスで、500床以上の病院でのみ収益が増えましたが、他の規模の病院では外来数と延入院数が減り減収になりました。この改定以降、当院は厳しい経営状況で、今費用の見直し等を行って経費削減に取り組んでいます。
福田総理の辞意表明により近々総選挙が行われ、選挙後に政権交代の可能性が言及されています。農薬汚染事故米問題、米国大手証券会社の破綻による経済不安等、問題が山積みなので、選挙後は、何れの政党から首相が出ても、社会保障、医療や教育にもっと力を入れて欲しいと思います。