診療科から

日赤医療集談会

当院の3テスラMR(MAGNETOM Trio)ならびにCT付きガンマカメラ(Symbia T2)のご紹介

放射線科部長 岡田(おかだ)秀人(ひでと)

 本年2月下旬にCT付きガンマカメラが、3月中旬に3テスラMRが導入されました。
当院には以前から1.5テスラMRが稼動しておりましたが、今回新たに2台目のMRとして、3テスラ装置が整備されました。MRは1.5テスラと3テスラの2台体制になりました。3テスラは最新の機器で、全国で100台強、宮城県では4台目(東北大学に2台、広南病院に1台)です。磁場強度が1.5テスラの2倍なので、注意事項も増え、体内に金属がない事などの事前の問診が更に重要になりました。1.5テスラでは出来なかった事も多く、医療の質の向上が期待されます。以下、当院で行っているものの中から、新たにできる様になった点、1.5テスラより改善した点を示します。

図1

股関節軟骨カラーマッピング
(青い円弧状構造が軟骨。
赤矢印参照。)

①関節軟骨のカラーマッピング(骨のみならず、軟骨の状況を把握する事により、早期診断、詳細な診断を可能にする(図1))。
②脳の磁化率強調像(静脈や古い血腫を見やすくする)。
③脳血管表示(1.5テスラと比較すると、細い枝(200-300μmレベル)も見やすい)。
④聴神経の白黒反転画像(脳脊髄液(背景)を黒にして、神経や血管を白にして、判りやすくする)。
⑤乳癌と前立腺癌の磁気共鳴分光法(MRスペクトロスコピー。癌細胞から出てくる波長はコリンが多く、クエン酸が少ない。スペクトル上の信号をグラフ化し、両者の比を取り、癌診断の一助とする)。
⑥膵胆管表示(胆嚢、胆管、主/副膵管が見やすい)。
⑦骨盤臓器のT2強調像(子宮/卵巣/前立腺/膀胱などが1.5テスラより見やすい)。
⑧下肢の動脈の観察(造影剤併用にて、下肢動脈は径1mmくらいまで描出可能)。

図2

骨シンチ(全身像)
右足関節の集積は
左より高い。

次に、新しいガンマカメラについて述べます。

図3

骨シンチとCTの重ね合わせ画像
赤矢印で示された円形部分が
異常(病変部分)

核医学検査はごく微量の放射性医薬品(ラジオアイソトープ)を注射して、主に体内の機能、代謝情報を得る検査です。放射線医学の4本柱(診断、治療、核医学、インターベンション)の1つです。

従来の核医学検査は、異常所見を見つけてもそれがどこなのか判りにくい、解剖学的情報が大雑把でした。けれども、当院のガンマカメラにはCTが付いておりますので、CT画像と核医学画像を重ね合わせる事により、病変の位置をピンポイントに表示できます。核医学検査の欠点を解決しています。診断用のCTが付いている様なハイブリッド器は全国で20台強、東北では2台しかありません(当院と白河厚生病院)。以下に具体例を示します。
骨シンチの例;40代、男性。右足三角骨障害。全身像では右足部に異常な取り込みがあります(図2)。
CTと重ね合わせて見ると、三角骨付近の異常所見であることが判ります(図3)。

図4

CT像
赤丸で示された遊離骨片が
病変部分

CTを見直すと、小さな遊離骨片に相当することが判ります(図4)。
その他に、当院で行っているもの、可能なものは次のとおりです。ガリウム(腫瘍/炎症)シンチ、脳血流シンチ、心筋シンチ、腎シンチ、副腎シンチ、肺血流シンチ、消化管出血シンチ、甲状腺シンチなどです。被曝量はいずれのシンチもCT検査よりはるかに少ないので、CTと併せて行っても心配する必要はありません。