院長室だより

院長 桃野(ももの) 哲(さとし)

  6月14日朝、ガタガタガタと揺れた後ユーラユーラと揺れる大地震が発生しました。皆様は、その時何をされていましたか。私は、テレビを見ながらの朝食中でした。テレビに、東北地方に地震が・・・とテロップが流れ、読むのは読んだものの、何なのか理解出来ないでいるうちに大きな揺れに襲われました。揺れがおさまってから、やっとテロップが地震情報だと気付き、棚から物が少し落ちた程度で被害は軽くて幸いでしたが、揺れている間中、私は殆んど何も出来ず、日頃の備えが大切だと反省させられました。
ずっと経験していない激しい揺れで、反射的に宮城県沖地震が起きたと思ったのですが、県北の内陸部が震源で、マグニチュード7.2の岩手・宮城内陸地震でした。震源に近い県北の山間部で、大規模な山の崩落や崖崩れが発生して死者や行方不明者が多数となり、道路が寸断され集落が孤立する等、多くの皆様が被災されました。被災された皆様に心からお見舞い申しあげます。
病院では災害発生に備え、6月6日に全職員を対象とした「災害机上シミュレーション訓練」を行いましたが、備えあれば憂いなしと企画したもので、こんなに早く役立つとは考えていませんでした。心配で病院に出て行くと、職員は地震直後から病院に駆けつけて被害状況等を既に把握しており、殆んど被害は有りませんと報告されて、訓練が稔ったと思いました。今回、県北の被災地に、石巻と仙台赤十字病院からdERUと救護班が出動しました。その活動については、遠藤部長からの報告をご覧下さい。

日本赤十字社の災害等救援活動について

5月、ミャンマーでサイクロン、中国では地震による災害が発生し、多くの人々が被災しました。国際赤十字の要請で、日本赤十字社は被災国の赤十字社に、救援物資等を提供し人的な協力を行い、国内では被災者への救援金を募集しました。
ミャンマー政府は、サイクロンで死者・行方不明者が10万人以上の大被害を受けたのですが、国連や各国政府の救護・支援を、当初は断りました。その中で、日本赤十字社は、国際赤十字から支援を要請され、4名の職員を現地に派遣して、3億円余の支援を行いました。また、四川大地震災害には、中国紅十字会(中国の赤十字社)へテント6,700張を送り、1億5千万円相当の支援を決めました。日本政府からは、事情で数日遅れてしまって、残念ながら救援のゴールデンタイムを逃しましたが、国際緊急援助隊救援チームが出動し、交代で派遣された医療チームは現地の病院で診療し、感謝されて帰国しています。
今回のように、被災国では体制の違いや災害による現地の混乱等があり、派遣の遅れはやむを得ない面もあります。しかし、他国からの救援をミャンマー政府が拒む中で、国際赤十字からは、ミャンマー赤十字社への救護活動が行われています。各国の赤十字社は、経済的に政府から独立し、政治的に中立を維持しているので、今回のような場合でもあまり支障なく、救援活動が出来るのです。
つきましては、日本赤十字社がこれからも、国内外でスムースに災害救援等の活動が出来るように、皆様から日本赤十字社に対して、その活動資金となる社費の納入とご寄付の協力をお願い致します。
  四川大地震は、マグニチュード8の大規模な地震で、建物の耐震化の遅れも重なって被害が拡大しました。今回の岩手・宮城内陸地震の調査では、耐震補強済みの建物では被害が少なかった由、耐震工事が未施行の学校や病院がかなりあるとされており、早急な対策が望まれます。当院の建物は、数年前の検査で耐震基準を満たしており、今回の地震ではエレベーターの復旧に時間がかかりましたが、他は大丈夫でした。当院は宮城県沖地震が、予想されているような規模で発生した際には、赤十字病院として、かつ災害拠点病院として被災者の救護を担当することになります。

19年度決算報告等

19年度の決算は、医業収支(診療に関わる収支)で2,034万円の黒字でした。日本赤十字社では、19年度に会計規則が改正され、それに則り決算処理で項目の入れ替え等がなされた結果、当院は19年度の事業収支が8億2千万円と大幅な黒字となりました。当院をご支援していただく皆様のお陰と、職員が全員で毎日努力した賜物であり、感謝しております。
この春、当院に入職の職員は仕事を覚えて、日々の業務をしっかりと行っております。幹部職員の移動があり、4月に渡辺紹子が看護部長に、5月に中川国利が副院長に昇任致しました。これからも、仙台赤十字病院に皆様のご支援をお願い致します。