院長室だより

新年度のご挨拶

新年度を迎えて、今年も多くの新人が当院のスタッフに加わりました。私達は、彼らが患者の皆様にご迷惑をかけない仕事が出来るように、優しく、時には厳しく教育して参ります。当人達も、新しい環境に早く慣れ親しもうと努力しておりますので、是非、皆様からも温かいご声援をお願い致します。増築棟の工事中は、多大なご迷惑をおかけしましたが、完成して3月から多床室を4床室で運用しており、RI検査と2台目のMRIも稼動しています。私達は今年度も、入院環境の改善と診断能力の向上が図られたなかで、より安心・安全な医療を提供出来るように努力致します。
仙台赤十字病院をよろしくお願いします。

病院給食について

輸入冷凍食品に農薬が混入との報道で、皆様は食の安全に神経質になっておられるかと思います。ニュースの後、当院の給食材料を調査しましたが、該当する食品は使っておりませんでした。給食は、産地や生産者がわかる安全な旬の材料を選び、院内厨房で調理して提供するように心がけ、メニュー作成では健康に留意して、塩分や脂肪、カロリーの摂り過ぎにならないように配慮しております。給食を食べて、普段の食事と比べると、塩味が薄い、もう少し量が欲しいなどと思うかも知れませんが、当院の給食は、望ましい塩分で栄養バランスのとれた適正なカロリーです。安心してお召し上がり下さい。

4月から入院医療費をDPCで算定します

図1

医療費は、厚生労働省が決めた診療行為の点数(1点は10円で、注射、点滴、薬、検査、手術、麻酔、リハビリなど、一つの診療行為に、何点と定価・公定値段が決められています)を基にして計算されます。当院では、入院・外来の医療費は、診療行為の点数を順次加算して、総額を出す出来高払いで請求していましたが、4月1日以降に入院の方から、入院料をDPCで請求致します。
DPCは Diagnostic Procedure Combination の略称で、日本語では「診断群分類別包括評価制度」です。図1をご覧になりながらお読み下さい。DPCとは、手術料や麻酔料以外の医療費を、医療費支払いを包括(まるめ)で行う、一日当り疾患別定額払いという仕組みです。数年前から大学病院などの入院費はDPCで計算しています。DPCでの入院費の計算は、包括外になる手術・麻酔・一部の検査などの総計に、DPC毎に1日何点と決められた金額と入院日数の掛け算で求める包括分を加えて計算します。

急性虫垂炎の例で、DPCについて簡単に説明します。図2をご覧下さい。急性虫垂炎でも、患者さんによって、①手術を受けないで治る人、②虫垂切除術を受けて数日で治癒し退院する人、③腹膜炎を併発しており虫垂切除術後に入院が長くなる人、④腸切除術など大手術が必要になる人と分けることが出来て、図2のような樹形図が書けます。

図2

病院で治療する際に掛かる費用も、①から④と患者さんの状態によってまちまちになります。急性虫垂炎患者さんのDPC(コード番号)は、図2の樹形図のように、手術や腹膜炎の有無などで4グループ(①~④)に分類されて、それぞれに対応するDPCが決められています。そして、1日当たりの点数(費用)は、DPCを実施中の病院から集めた患者さんの膨大な医療費のデータを、樹形図のDPC(①~④)毎に分類して集計した平均を、基準に決めます。重症で大きな手術を受けた患者さんでは、入院期間が長く、薬剤など使われた費用も増えて、そのグループ(DPC)の点数は、重症者の診療費を反映して高くなりますが、日本での平均的な診療の費用でもあります。従って、当院での治療内容(使用薬剤や入院期間など)が、国内の平均的な治療法と同じならば、DPCと出来高払いは、ほぼ同じ金額になります。当院の患者さんの一部で、医療費を出来高払いとDPCの計算で比較した所、同じDPCでも個人により数千円の増減は有りましたが、大きな差にはなりませんでした。
皆様は、医療費が高いと思っても、明細について質問したことはないかもしれません。今回、出来るだけ単純化してDPCを説明致しましたが、十分な理解は難しいと思いますので、入院会計の際に疑問を感じた方は遠慮なく係りに質問して下さい。