診療科から
■貧血の話                   腎血液内科副部長 福原 修
 貧血とは血液中の赤血球に含まれる血色素(ヘモグロビン)が減少した状態で、女性は血色素が11g/dl、男性は12g/dl以下が貧血です。血色素は肺で酸素と結合して血管を流れ、体中の組織へ酸素を運びます。貧血になると体のあちこちで酸素不足になり、息切れ、動惇、全身の倦怠感を生じますが、貧血がゆっくり進行した場合に体が慣れてしまい、血色素が正常の半分近い重症貧血になっても症状に気づきにくいこともあります。
 赤血球や血色素は、骨髄で赤芽球という細胞より作られます。この際栄養素として鉄分やビタミン・葉酸も必要です。この過程のどこかが障害を受けると貧血になるため、治療を始める前に正確な貧血の原因診断を受けることが大事です。
 最も多いのは貧血の約70%で起こる「鉄欠乏性貧血」で、これは血色素の材料である鉄分の不足によるものです。女性の方は生理、妊娠、授乳などで鉄分を消費するので、鉄欠乏になりやすいのです。また、本人が気づかないうちに胃腸などから出血がある場合にもこの貧血になるので、治療開始前に腹部エコー検査や胃カメラ、便潜血反応を行って、消化管出血の有無や、子宮筋腫の有無を調べることをお勧めします。
 鉄欠乏貧血は必ず治る貧血ですので、一カ月間の鉄剤の治療により貧血の改善が認められない場合には、専門医への受診をお勧めします。また、貧血には治りにくい貧血もあります。特に赤血球の元になる骨髄中の血芽球の異常による貧血は重篤な疾患が多く、診断には骨髄検査による精密検査を必要とします。
 他の貧血としては、
◎赤血球を作る材料であるどタミンB12や葉酸が不足して起こる貧血(巨赤芽球性貧血)
 :慢性アルコール中毒、胃全摘手術後などに見られます。
◎赤血球が壊れやすいために起こる貧血
 :溶血性貧血
◎骨髄での造血障害によって起こる貧血
 :再生不良性貧血や骨髄異形成症候群など
 他にもたくさんの種類がありますが、鉄欠乏性貧血以外のものについては血液を専門にしている病院の受診をおすすめします。
食事のポイント
 栄養のバランスを整えましょう。
 一日3回規則正しくバランスのとれた食事を。
 鉄分、タンパク質を上手にとりましょう。
 血液の生産を助けるどタミンB6やB12、葉酸も不足しないようにとりましょう。もちろん糖尿病や高コレステロール血症など、食事に注意が必要とされる方は多面的に食事を考えなくてはなりませんから、主治医の先生の指導に従ってください。
鉄分を含む食品 肉、レバー、貝類、海藻、ほうれん草、大豆、干しひじき、切り干し大横
葉酸を含む食品 カキ、アスパラガス、ほうれん革、クルミ、ピーナヅソ
ビタミンCを含む食品 いちご、ブロッコリー、カリフラワー、枝豆、甘柿
ビタミンB6を含む食品 玄米、クルミ、大豆、サケ、ヒラメ、イワシ、レバー
ビタミンB12を含む食品 レバー、ニシン、イワシ、カキ、サバ


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