院長室だより
変わりつつある病院              病院長 小山 研二

 仙台赤十字病院は、変わりつつあります。今日は、病院として最も重要な医療サービス面の変化を取り上げてみます。第1は、本院眼科のことです。昨年、約7ヶ月間、眼科医師が非常勤であったため、外来のみの診療で、大きな手術もできませんでした。本年4月から、常勤になり、早速、入院手術が連日行われていることから、いかに本院眼科が皆様方に必要とされていたか、を再認識して感謝するとともに、長期に亘っておかけしたご迷惑を改めてお詫びします。どうぞこれまで以上に本院眼科をご利用下さい。第2は、総合的病院として、診療領域の不足する面を補うとともに、本院の特殊性・専門性を、より高めるために、血液疾患と肝臓・胆道疾患の専門医を各1名招聘しました。
 血液疾患専門医は、仙台市内にも決して多くはないので、患者さんは診療の場に不自由されているはずです。また、血液疾患は、高齢者にも多いため、他の疾患を合併している方も少なくないので、それらの治療も同施設内でできる総合的病院の中で、血液疾患専門医が診療していることは意義あることと思います。7月1日の診療開始とともに、簡易無菌装置に囲まれた血液疾患の患者さん方が入院され、病棟のスタッフにも新たな勉強や研修の必要性が増し、看護能力向上が期待されています。
 一方、肝臓・胆道疾患専門医は、8月1日から診療を開始しました。肝臓疾患の代表的なものは、ウイルスによる慢性肝炎、肝硬変ですが、その治療経過中に肝癌が発生することが少なくありません。でも、恐れることはありません。それを予想して肝臓専門医は患者さんの経過を慎重に観察しているのです。そして、肝癌が発見されれば、その大きさや数に応じて、さまざまな治療法を駆使してコントロールし、殆どの方が普通に仕事をしながら長期生存しています。ただし、この治療法は非常に専門的で、高度の技術が必要のため、一人の肝臓専門医だけではカバーできない場合もあります。それに対しても、本院には、肝癌の血管造影や血管内治療の巧みな放射線専門医がいますし、小さな肝癌にも確実に針を刺して焼き固める技術と、大きな肝癌に対しては手術的に治療する技術をもった外科専門医もいます。今般、扇の要ともいえる肝臓専門医が着任し、放射線専門医や外科専門医と連携して肝臓疾患の患者さん方の総合的な診療を積極的に進めることで、本院の医療サービスはさらに向上するでしょう。
 ところで、世の中がどう変わっても存続できる病院の条件は、大病院であることでも、患者さんが多いことでもない、必要な時に変わることができることだ、と言われます。皆皆様は、今日お示ししたような本院の「変化」は小さいこと、と思われるかもしれませんが、病院にとって診療内容の変化は、あらゆる面に影響し、大きな変化を生み出す潜在的エネルギーになるのです。変わることができる病院、を目指す私たちにご注目下さい。
 それにしても、今年の梅雨は随分長く、降りみ降らずみの毎日です。しかし、実は、この曇り空の向こうで、太陽は、いつもの夏以上の暑さをもたらそうと、潜在的エネルギーを溜めこんでいるに違いありません。必ず訪れる灼熱の日々を待ちましょう。


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