◆第64回<5月2日>
血液に絡む最近の話題

            宮城県赤十字血液センター 医薬情報課 課長 浦野 慎一

 今般、新たな血液法及び改正薬事法施行の時期を向かえ、血液に絡む最近の話題をお話します。
【新たな血液法及び改正薬事法について】
 平成14年7月31日に血液事業と医薬品等に関して示された「薬事法及び採血及び供血あっせん業取締法の一部を改正する法律」が公布されました。
 血液事業は、昭和31年制定の「採血及び供血あっせん業取締法(以下、採供法と略します)」と昭和39年閣議決定の「献血の推進について」に基づき実施されてきましたが、採供法は被採血者の保護と採血業の規制が主眼でありました。今回、血液事業の特性にあった法的根拠を規定する法改正となり、名称も「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」に変更され、@目的、基本理念及び関係者の責務の明確化、A国内自給概念の明確化と献血の推進及び血液製剤の安定供給、B感染症等発生防止のための安全性確保といった内容が組み入れられています。ちなみに、医療関係者の責務は、血液製剤の適正な使用と安全性に関する情報収集と提供であります。
 一方、改正薬事法では、@生物由来製剤の安全性確保に向けての法的整備、A市販後安全対策の充実、B医療機器のクラス分類制度、C第三者認証制度・高リスク医療機器等の許可制、D製造承認・許可制度の見直しが盛り込まれておりますが、本年7月には(a)生物由来製品に関する規制、(b)医療機関からの副作用等報告制度、(c)医療機関・医師主導の治験届出制度について施行されます。
【血液製剤の安全性確保対策と輸血副作用について】
 日本赤十字社では、血液製剤の安全性を確保するため血液製剤の製造各段階において安全性確保対策、すなわち、@問診や自己申告の反映、A血清学的スクリーニング検査と全国献血履歴の照会、BHBV、HCV、HIVの核酸増幅検査等を行なっています。また、これらは有効期限が採血後72時間と一番短い血小板製剤に対しても反映しており、日本の輸血用血液製剤の安全性は世界的に見ても高いものとなっております。

 さらに、日本赤十字社では市販後調査業務として医療機関から寄せられる輸血副作用自発報告事例の集積と原因解析を行なっています。これまで報告された輸血副作用事例は症状別に感染症の疑い、非溶血性副作用、溶血性副作用、GVHDの疑い等に分けて集計していますが、報告件数は年々増加し2002年には1480件に達し、この90%以上の報告は非溶血性副作用報告でありました。なお、年々報告数が増加しているのは、輸血副作用が増えてきたのではなく、日本赤十字社の血液安全監視という考え方に対する医療機関の先生方のご理解とご協力の賜物と考えます。
【仙台赤十字病院における輸血用血液製剤の供給状況等について】
 仙台赤十字病院における輸血用血液製剤の供給量は、血液製剤の適正使用推進により年々減少し、ここ数年は2千単位前後の供給量で推移しています。
 また、NICU部門での未熟児に対する血小板輸血に伴い、県内外の他病院と比較して1、2単位の血小板製剤が多く供給されていることが大きな特徴といえます。



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