院長室だより
風に向かって面を上げ、医療の本道を進む             病院長 小山 研二

 明けましておめでとうございます。本院をご利用下さる方々、この冊子をご覧下さる方々、そして職員の皆さんとご一緒に新年をお祝いいたします。
 医療従事者の集まりの挨拶に、しばしば「このような厳しい医療情勢のもとで・・・」という表現が使われますが、昨今ほど、この表現が適切な時はないでしょう。診療報酬のマイナス改定等の「改革」が各病院の運営を著しく困難にしており、本院も例外ではありません。今、院内では、大小を問わず無駄を省くのは勿論、可能な範囲内での支出の節減を検討・実行しています。同時に病院である証として、質の高い医療を、安全を確保しつつ、一人でも多くの患者さ んに提供しよう、と努力を重ねています。
 私達は、小賢しく抜け道を探したり、一方通行路を逆送するような誘惑に負けずに、風に向かって面を上げて医療の本道を踏みしめて進まなければなりません。こんな時こそ、本院の理念と基本方針が生きてくるのです。この理念で職員は背すじをシャッキリと伸ばし、着実に基本方針を実行することで、必ず本院は良くなり、患者さん方のご理解とご支援をいただける、と確信しています。
 勿論、これらの実現のために、掛け声だけではなく、「仕掛け」も用意してあります。本院の安全な管理のための医療安全管理室とインフェクション・コントロール(感染症制御)チーム、また、職員の協力体制をつくるための診療連絡会等は、基本方針を実行し易くするための仕掛けの一部です。従って、今や最も必要なのは、これらの様々な仕掛けを存分に機能させて、基本方針を実行しよう、それを通じて本院を地域の方々のかけがえのない財産と思っていただこう、という職員の意欲と志です。患者さん初め皆様のご意見、ご叱正を糧としながら、この一年が本院にとって、ひいては本院利用者の方々にとって、有意義であるように励む所存ですので、よろしくお願い申し上げます。

医療安全管理室長就任挨拶            副院長 桃野 哲

 医療安全管理室は、昨年11月に新設され、初代の構成員は副室長千葉裕二、専任室員高砂祐子、 室員は安彦茂、池田淳、遠藤尚文、柏崎富喜子、末澄子、鈴木伸男、中村智代子と私の10名です。以前から当院には、医療の安全を確保する目的で、メディカルリスクマネージメント委員会とその小委員会があり、院内の各部署にリスクマネージャーが配属されて活動しておりました。医療安全管理室は、この小委員会を発展解消させて、専任職員のいる常設の組織とし、必要があれば即時に反応して行動できる、本院の医療安全の元締めとして立ち上げられ、1月から本格的に活動を開始しています。医療安全管理室は、当院を受診される患者様に安全で適切な診療を提供するために働きます。また、患者様が診療内容や説明に十分納得出来なくて不満が残るなどの診療現場だけでは解決できない時には、対応の窓口にもなります。私ども室員は、診療の場で何をどうするのが最も良いのかを検討します。その際には、患者様や職員からの提案や意見をも十分に汲み取り、常により良い診療環境を目指して討議しまとめて提案します。
 皆様は、医療事故や医事紛争のニュースや解説で、「事故一件につき三百ほどのヒヤリ、ハットの事例がある」と言われるのをお聞きになっていると思います。医療事故のほとんどは、誤認や過ち、思い込みなどが原因で発生します。医療現場では人間が関わることが多く人間は時に過ちを起こします。事故を防ぐためには、人間に過ちを起こさせないような、もし起こしてもこの過ちが大事に至らないようなシステム作りが大切です。私どもは、この目的で今すでに行われているシステムを再検証し、さらに事故が起こりにくいシステムに発展させたいと考えております。その一環として院内のヒヤリ、ハット事例についてのレポートを、職員から出していただき、毎週金曜日に室員で分析し、改善すべき所が有れば直ちに実行に移します。そして、職員の注意を喚起するために、ヒヤリハットレポートのまとめや安全対策についての提案を医療安全管理室便りとして発行します。さらには他院に医療事故等が発生した際には、本院の状況を検証し必要な事項を直ちに臨時ニュースとして関連部署に伝え注意を喚起します。また、この際に各現場から安全に対する提案が有れば、どしどし取り入れていきたいと思います。
 医療安全管理室一同は、仙台赤十字病院の診療が、今まで以上に安全で適切に 行われるように努力します。皆様の援助と協力をよろしくお願い致します。


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