院長室だより

院長あいさつ

院長 北 純

新年あけましておめでとうございます。
皆様にはお元気でお正月を迎えられましたでしょうか。現代では多くの方が何か健康に不安を抱えておられ、様々な思いをもって新年を迎えられたことと思います。仙台日赤では今年も皆様のご健康にお役に立てますよう、できる限りの活動を行ってまいります。

診療の基本的な体制について
厚労省は、高齢者が多くなり、頻繁に具合が悪くなる人が発生するようになるので、医療界を挙げて対応してほしいと考えています。特に高齢の方は複数の疾患を抱えていることが多く、それが重症化することも少なくありません。国は地域毎にこのような患者さんた
ちに対応する体制を整えるようにと指導しており、これが地域包括ケアといわれる体制で医療に最も求められていることです。当院も急いで地域包括ケアに対応した体制作りをすすめているところです。具体的には、急に具合が悪くなった患者さんが診療所から紹介された場合や、救急隊から患者さんが搬送されたときに迅速に受け入れる体制を作っています。またそのためには、外来の患者さんにはできるだけ逆紹介により診療所に戻って治療を継続していただき、入院した患者さんはできるだけ短い期間で治療を行って、当院での入院期間を短期にしていくことも必要になっています。さらに、予約で入院する患者さんでは入院前にできるだけ情報を集め、様々な評価を行って入院後の治療が支障なく進むように、また退院時の状態を予測して、その状態に合わせた退院先や生活の仕方を計画することが求められています。当院では青壮年から高齢者に対応する医師の数や担当領域がまだ不十分で、すべての疾患や、あらゆる重症度の患者さんに対応できるわけではありませんが、急性期病院としての体制を整えつつあります。

地域包括ケア病棟
昨年3月に地域包括ケア病棟を開設しました。この病棟は地域には大変必要な場所で、病気やケガで入院した患者さんが、回復して自宅や施設に退院する前に、必要な治療やリハビリなど生活の準備を行って退院できるようにする病棟です。当院で治療を開始した患者さんだけではなく、当院の近くに住んでおられた方が、他の病院で治療を開始した後に、上記のような目的で転院する場合もあります。また施設におられて一般的な病気で具合が悪くなられた患者さんが入院したり、在宅療養されている患者さんを介護なさっている人が治療を受けたり、不在になったり、休息するときにも短期の入院が可能です。現在、約90%以上のベッド稼働率になっおりますので、今後はできるだけ早く治療効果を上げて短期で退院いただけるようにし、多くの方が利用できるようにしていかなければならないと考えております。

赤十字の理念
昨年4月に私が院長に就任し、あらためて赤十字の目的である「人道的使命を果たす」こと「人の命と健康、尊厳をまもる」ことをわかり易く「一人の人を大切にする」と表現して病院を運営してまいりました。赤十字の精神ということもありますが、それが何かと問われたとき、その精神の底には多少の困難があっても、世の中に先駆けて人道を考え、人道をまもる活動を実践することが含まれていると思います。しかし一方、昨年秋に行いました「患者さんへのアンケート」では、病院の体制や職員の行動の中に日赤の精神に沿っていないと考えられる内容のご指摘をいくつかいただきました。早急に改善をしたいと思っております。

昨年の出来事から
昨年も話題豊富な年でした。1月に自国の利益を最優先し、移民を排除しようとするトランプ大統領が誕生し、北朝鮮の金書記長は日本ばかりかアメリカ全土もミサイル攻撃が可能になったなどと言っており、米朝は戦争も辞さない太平洋戦争直前の日米関係に似た状況を思わせます。また8月以降、ミャンマーからバングラデシュに60万人を超えるロヒンギャ難民が発生し、日本赤十字社でも多くの救援スタッフを送っています。11月には大相撲で傷害事件が明らかになり、いずれも人間が大事にされていない表れで心配です。

チーム医療
今年は精神科医師の応援を得て、多職種からなる認知症ケアチームを編成し、活動を開始することになりました。認知症の患者さんや認知症が疑われる患者さんが適切な診療を受けられる本格的な体制を作って参ります。
また、がんのリハビリテーションも開始することができ、化学療法、緩和医療チームの活動等、がんの患者さんに必要な診療を行う体制が整ってきています。当院は以前からがんの診療には定評のあるところですが、自然に囲まれた閑静な環境とともに、患者さんが落ち着いて治療が受けられる環境が整いつつあります。
今年は4月に医療費、介護保険の同時改定が予定されており、その概要が1月に明らかになる予定です。これに十分対応して、皆様により向上した診療をお届けしたいと思います。
ぜひ、今年も当院をご利用いただきたく存じます。