院長室だより

院長 北 純

今年は7月からの長雨で、夏を感じないままに秋を迎えることになりましたが、皆様にはお元気でお過ごしでしょうか。不順な天候に体調を崩された方もおられるのではないかと心配しております。四季のある地域では春から夏に日差しを浴びると、体内にビタミンDが生成されて骨が増えたり、筋力が強くなったり、運動能力があがったりします。プロ野球パ・リーグの首位を走っていた東北楽天ゴールデンイーグルスも、7月後半からケガをきっかけに調子が崩れ、多くの東北人を心配させております。これも長雨で日光を浴びる機会が少なくなり、体内ビタミンDの蓄積が足りなくなって運動機能が悪くなっているのではないかと勝手に想像しています。1年間で最も体内ビタミンDが少なくなる、来年2月から3月に高齢者の骨折が増えないかとの心配までしています。

Jアラート

長雨にとどまらず、今年も大雨、台風の被害が出ています。また、北朝鮮からはミサイルが発射されて日本の上空を通過するという、正常な国家間の関係では考えられない事態があって、Jアラートが何回も発令されました。Jアラート発令時の対応を簡単に書くと
①速やかに避難行動をとり、屋内や地下施設に避難する。屋内なら窓から離れる。
②核物質が使用された時は爆発地点や汚染地点から速やかに離れる。汚染の疑いのある水や食べ物の摂取を避ける。
③サリンなどの化学兵器が用いられた時は風上、より高いところ、2階以上の高い建物の場合はより上の階へ避難する。
④仙台赤十字病院近隣の避難施設は八木山小学校、中学校、八木山南小学校(国民保護法により定められた)。
以上のようになっていますが、確実に身の安全を保証する方法はなく、本格的な武力行使は避けなければならないと考えています。

医師の働き方改革

厚労省の今後の施策の中で、医師の働き方改革が大きく取り上げられました。以前から労基署はこの問題に踏み込みつつありましたが、国として「働き方改革」が閣議決定され、相次いで医師が過労で亡くなったことから、本格的な検討が行われることになりました。もとより医師と医療従事者は全力で患者さんの命と健康を守る事が望まれますが、普通の肉体をもった人間が医師や医療従事者になっているのですから、医療従事者は労働者と考えて制度を作るのが正しいと思います。医療は質、量とも膨大かつ複雑になっていますので、必要な医療の実施を個人の能力で達成するのは限界に来ています。より良い医療の提供のためには医師の増員や複数主治医制、チーム医療の導入、医師に代わって業務を行える職種の充実、またそれを可能にする財源の確保が必要になります。少子高齢化、人口減少、地方の過疎化の流れが止まらない現在、医療従事者も減らさなければならないと言われておりますので、今とはかなり異なる医療提供体制が必要になるでしょう。

地域包括ケア構想

国が打ち出している地域包括ケアの構想では「人々が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されること」が目標になっております。また医療の提供体制については、「その地域に必要とされる医療の内容を考えて、その地域にふさわしいバランスのとれた分担と連携を進めるよう」望まれています。太白区、名取市などを中心とした地域では仙台市立病院が救急救命センターになっていますので、当院は二次救急を担当することになります。しかし、2つの病院でこれらの地域の患者さんに十分対応できているわけではなく、高齢者の救急も増加する一方ですので、当院としてはもっと救急対応を充実させながら、かつ市立病院の救急とは異なる分野を充実させていく事になります。臨床研修医とその指導医層を充実させ、新専門医制度の専門医育成システムに参加しながら、新しい「医療従事者の働き方」を視野に入れた診療体制作りを進めて参ります。

3月に開設した地域包括ケア病棟はお陰様で、医療機関からの入院、レスパイト入院とも多くの医療機関、患者さんにご利用いただき有難う存じます。まだ十分余裕がありますので、是非今後ともご利用いただきたくお願いいたします。該当する患者さんがおられましたら地域医療連携室にご一報をお願いいたします。
皆様のご期待に応えられますよう、改革、改善を進めて参りますので、是非皆様のご意見をお届け頂きたくお願いいたします。